『the Legend』種族説明

『the Legend』の世界に生きる五つの種族について、ごく大雑把な説明です。

人間族(にんげんぞく・ヒューマン)

この世界で最も人口の多い種族です。髪の色、瞳の色は様々。特に目立った外見も能力も持たないのが特徴。
性質はおおむね温厚で楽観的、争いごとは出来る限り避けようとします。勇猛果敢で好戦的な者も中にはいますが全体から見れば少数派。それとは逆に力を持たぬが故に卑怯かつ卑劣な振る舞いをする悪党も存在します。
各個人による能力差が極めて大きい種族で、世界にその名を轟かせるような英雄を誕生させることもしばしばあります。
世界のあらゆる地方に自分達の村や町をつくりあげて暮らしています。生活力が旺盛で、およそ考えられる限りのあらゆる職業に従事しています。自分達が築き上げた居住区に他種族の住人が増えることに対しては寛大で、それが例え邪竜人間族であろうと隔てなく近所づきあいをしてしまえるような懐の深さがあります。反面同族が他種族に明らかな不利益を与えられたときの対応は一種独特なほどに執念深く、その周辺の住民(人間族)が結束して他種族を追い出してしまうケースも稀にはあるようです。
寿命は70〜100年といったところ。20才で成人とみなされます。世界に存在する五つの種族のうちで最も短命。ですがそのことについて他の種族を羨んでいたり他種族に対して引け目を感じているような者はいません。
世界の中心ラゼット大陸の『王都』にある『王城』に住まう『国王陛下』を種族全体の統率者としています。

狼人間族(おおかみにんげんぞく・ウェアウルフ)

直立歩行が可能になった狼とでも表現されるべき見た目の種族。ふさふさしたしっぽも獣の耳もあります。体毛や瞳の色は様々。
他種族と比較する必要も感じられないくらいに秀でた方向感覚と射撃の才能を、種族全員が生まれつき持っています。犬や狼と同様に嗅覚や聴覚も優れています。成人前の狼人間族は犬や狼のようにしっぽや耳の動きで頻繁に感情表現をしますが、成長するにつれそれは子供っぽい無作法なこととされ、他種族と同じく表情や身振りによる表現へと切り替わってゆくのが普通です。中には子供時代の癖がどうしても抜けない者もいるようですが。
自分達が生まれ育った森とそれに付随するあらゆる自然に深い愛情と親しみを抱いているので、他種族が必要以上に森を傷つけるようなことをすれば決して許さない気性の烈しさを見せることもありますが、大抵の場合性質は非常に温厚で初対面の者に対してもとても親切です。
男性の狼人間族は深い森の中にある彼らの集落から出て世界各地の町や村で様々な職業に就くこともありますが、女性は余程のことがない限り自分達の故郷からは出て来ません。とは言え女性の狼人間族が作製する織物その他の工芸品はたいへんな高値で他種族に売れるため、狼人間族の集落は深い森の奥にあっても外界から隔絶されているわけではなく、他種族との交流は活発です。
寿命は200年前後。18才になる日の前日から成人とみなされます。
ラゼット大陸の北東に位置する小さな島のほとんどを占めるロガートの森の、奥深くにある集落に住まう『族長』が彼らの指導者です。

善竜人間族(ぜんりゅうにんげんぞく・バハムート)

『光』の守護を受ける竜人間族。自らの意思で巨大な竜に姿を変える能力を持っています。黄金色の髪に緑色の瞳。善竜人間族が竜となった際のウロコの色は基本的に緑色ですが、他種族を父もしくは母に持つ場合は違う色になります。
責任感・正義感が非常に強くて真面目な性質の種族です。程度に個体差はあるがいざというときにも融通が利かない者が多く見られます。
種族の全員が邪竜人間族に対して絶対的な敵意を抱いています。それをいついかなるときでもあからさまに表面に出す者もいますし、その感情をときと場合によって巧妙に隠しておける者もいます。どれだけうまく隠そうとその悪感情は消えてなくなったりはしません。
『闇』の竜である邪竜人間族から『世界の平和を守る』ことを至上の使命と認識しています。そのためであればどのような危険も困難も厭いません。ただし善竜人間族が戦うのは原則として邪竜人間族が宣戦布告して来てからであり、交戦状態に入る前に自分達が先制攻撃を仕掛けることはありません。善竜人間族の力はあくまで『守る』ための力です。
他種族に対しては友好的な態度をとります。狼人間族よりは自分達に容姿の似ている人間族に好感情を抱いているようで、互いの寿命に数倍の差があるにも関わらず善竜人間族と人間族の男女が交際し結婚することは珍しくありません。
寿命は500年前後。100歳の誕生日を迎えると成人とみなされます。
善竜人間族はソリアヌ大陸の南に位置するバルデシオン城に住まう『王』に従います。善竜人間族王家の者は他の善竜人間族とははっきりと異なる銀色の髪と蒼い瞳を持ち、この組み合わせの髪と瞳を持つのは世界でも善竜人間族王家の者のみです。善竜人間族王家の者は強大な力を持つ『光』の竜ホワイト・ドラゴンに姿を変えることが出来ます。

邪竜人間族(じゃりゅうにんげんぞく・ドラッケン)

『闇』の守護を受ける竜人間族。自らの意思で巨大な竜に姿を変える能力を持っています。赤い髪に赤い瞳。邪竜人間族が竜となった際のウロコの色は基本的に黒ですが、他種族を父もしくは母に持つ場合は違う色になります。
自尊心が高くて好戦的な性格の種族。他種族をあからさまに見下すような態度をとる者は決して少数派ではありません。ただそのような典型的な邪竜人間族は無用の軋轢を避けるため特別な用事でもない限り彼らの故郷であるゲゼルク大陸から出ることはありません。
善竜人間族には他種族に対してよりもかなりはっきりとした嫌悪感を抱いています。それをいついかなるときでもあからさまに表面に出す者もいますし、その感情をときと場合によって巧妙に隠しておける者もいます。どれだけうまく隠そうとその悪感情は消えてなくなったりはしません。
混沌と争乱を好みいずれは世界を自分達(ひいては『闇』)が支配すべきだとの考えに種族全員がとりつかれています。邪竜人間族こそが世界で最も優れた種族だと考えているのです。他種族に対して友好的な態度をとる者もその思想から抜け出せているわけではありません。
邪竜人間族は数百年に一度の周期で他の種族全てに対して大規模な戦闘を仕掛けるのですが(世界を支配するためです)、その際最初に戦いを挑むのは必ず自分達と同等の能力を持つ善竜人間族に対してであり、それも正式に宣戦布告した上でのことで、卑劣な奇襲などは決してしません。自分達の強さに誇りを持っています。弱い者、臆病な者と刃を交えることは自らの強さを損なうことになると嫌います。『英雄』は種族に関わらず評価します。邪竜人間族は勇敢に戦った結果としての戦場での死をこのうえもなく名誉なことであるととらえています。
寿命は500年前後。100歳の誕生日を迎えると成人とみなされます。
邪竜人間族はゲゼルク大陸にあるエルスロンム城に住まう『王』に従います。邪竜人間族王家の者は他の邪竜人間族とははっきりと異なる暗赤色の髪と焦茶色の瞳を持ち、この組み合わせの髪と瞳を持つのは世界でも邪竜人間族王家の者のみです。邪竜人間族王家の者は強大な力を持つ『闇』の竜ダーク・ドラゴンに姿を変えることが出来ます。

エルフ

善竜人間族と同じく『光』の守護を受ける、『闇』の番人。世界で最もその数が少ない種族です。髪や瞳の色は様々。
アイファム大陸にあるバイアス湖を取り巻く深い森のどこかにある『隠れ里』で全員が暮らしています。『隠れ里』はエルフ達の魔法の結界に包まれ巧妙にその存在を隠されているので、他種族がそこに辿り着くのは困難を極めます。重大な用件もないのに『隠れ里』を目指しても彼らの魔法で迷わされ森の外に穏便に放り出されるだけです。よほど特別な目的がない限り他種族の町や村にエルフが姿を見せることはありません。エルフの日常生活に必要な全てのものは隠れ里周辺の深い森から手に入るので他種族とは必要最低限、百年に一度ぐらいの周期でしか交流しません。その際も同じ『光』の種族である善竜人間族を他の種族に対する窓口とするため、善竜人間族以外の三種族には普通に暮らしていればその存在を直接目にすることさえ難しい種族です。まして一際寿命の短い人間族との接点となるとほとんど存在しません。
自然と正義を愛し実直かつ誠実な性質を持っていますが、反面とても閉鎖的で気難しくもあります。他種族と接する機会がもしもあれば最低限の礼儀は通しますが、心を通わせたり打ち解けたりしようとは考えもしません。あからさまに見下すワケではありませんが他種族を自分達と同等の存在だとは認識しておらず、その点だけは皮肉にもエルフが最も忌み嫌っている邪竜人間族とよく似ています。
寿命は1000年前後と五種族一の長命。『闇』の番人たるエルフは『光』の特別の加護の下にあるため、病気や事故など老衰以外の要因で落命することは唯一の例外(『光の具現者』として選ばれること)を除いてありません。不死身ではないので襲われれば殺されることは有り得ますが、エルフはほとんど『隠れ里』を出ないし同族を手にかけるなど想像することも出来ないぐらいに結束の強い種族なのでその可能性は無視出来ます。
数百年に一度の周期で『闇』がその濃さを増し『光』を圧倒しそうになったとき、エルフには通常有り得ない黒い髪と黒い瞳に変わる者が出現します。その者は世界で最も強大な『光』の力を手にした『光の具現者』として、『闇』を封じるためにその生命を捧げることで、世界のバランスを保ちます。善竜人間族が邪竜人間族と敵対することに何ら疑問を抱かないように、『光』の種族であるエルフは『光の具現者』が『光』のためにその命を差し出すことを当然のこと、名誉なことだと認識しています。

注:各種族の『性質』についての説明は『その種族全体から見て最も平均的なもの』ということであり、当然そこからはみ出す個人も存在します。不真面目な善竜人間族や人懐っこい邪竜人間族、外の世界に出て行きたがるエルフも場合によってはいるということですので、あまり厳密に考えないでもらえると助かります…。

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